採用情報 RECRUIT

T. F. T. F.

本質を捉える力と粘り強さで信頼関係を築く

無機化学品ビジネスユニット
無機バルクグループ
(取材当時)
営業職
T. F.
  • #経験者
  • #30代

住友商事ケミカルを選んだ理由は?

前職の素材メーカーでは生産管理や営業を担当し、モノづくりの現場に深く関わっていましたが、より幅広い関係者と連携しながら、新しい価値を生み出していくような役割にも挑戦したいと考えるようになりました。その中で日常的に商社の方々とご一緒する機会があり、多様な企業をつなぎビジネスを動かしている姿に触れ、これが自分の取り組んでみたいキャリアなのではないかと感じ、転職活動を始めました。
当社を選んだのは、総合商社グループならではのグローバルネットワークを活かしつつ、常に新たな材料や技術が生まれ続ける化学産業であれば、自分の経験を土台にしながらビジネスのすそ野を広げていける可能性があると感じたからです。

今の仕事内容は?

私が所属する部署では、鉱物や金属などの無機物を原料とする化学品を扱っています。液体・粉体・粒体とあらゆる形状の無機化学品を専用船で大量輸送するバルク貨物の輸出入が主な取引です。
その中で私は、銅を製錬する際に発生する副産物である銅スラグの輸出取引を主に担当しています。銅スラグとは鉱石を製錬した際に残る“かす”のようなもので、かつては産業廃棄物として処理されることも多い素材でした。一方で鉄分を多く含むことからセメント原料として期待できる素材であり、当社では多数の海外セメントメーカー向けに販売しています。
銅スラグは、国や地域によっては廃棄物として位置づけられ、輸出入にあたって政府当局の厳格な許認可や環境規制への対応が求められるなど、少し特殊な性格を持つ商材です。さらに、需要と供給のバランスが変化するなかで、当初は引き取ってもらう対象だったものが原料としての価値を再評価され、大幅な価格見直しが求められるような市況の変動が起こることもあります。
そこに当社が入ることで、銅製錬メーカーにとっては処理コストの低減と安定的な引き取り先の確保につながり、セメントメーカーにとっては環境規制を踏まえたうえで一定水準の原料を継続的に確保できるというメリットが生まれます。副産物を有効活用するという点で、資源循環や脱炭素といった社会課題の解決にも貢献できるビジネスであり、私自身、大きなやりがいを感じています。

仕事をする上で難しい点は?

銅スラグは銅を製錬する際に二次的に発生するものであることから、銅生産動向に左右され、常に安定しているとは限りません。私自身も海外のセメントメーカーのニーズに対して供給が不足しそうになる危機的な局面を経験しました。この状況に際し、私は銅製錬メーカーに追加供給を交渉するとともに、セメントメーカーとは分納や納期調整について協議しました。
その過程で、銅製錬メーカーが複数の販売先候補を持っていることから、当社としては環境規制や物流条件、市況を踏まえ、他社より有利な条件を提示しました。一方で、海外セメントメーカーには、安定供給を条件に高値で買い取った分の価格改定を承諾いただくよう、粘り強く交渉しました。結果として、実現可能な供給量と価格を見極め、双方が納得できる合意点を見出すことが出来、信頼関係を損なうことなく取引を継続できました。

交渉のプロセスで特に大切にしているのは本質を捉える力と粘り強さです。お客様から一度は「難しい」と言われた場合でも、その背景や制約条件を正確に理解できれば、条件の組み立て方を工夫することで実現に近づけたり、再検討のきっかけをつくれたりすることが少なくありません。また、すぐに望ましい答えが得られなくても粘り強く対話を重ねることで、相手の状況の変化から思いがけないタイミングで課題解決や新たなビジネスチャンスにつながることもあり、そこにこの仕事ならではの奥深さと面白さを感じています。

将来のキャリアイメージは?

私はこれまで諸先輩方が切り拓いたビジネスを拡大していくことや、一度途絶えてしまった取引を再構築していく取り組みを中心に経験を積んできました。今後は、そうした経験をベースに、新しいビジネスをゼロから創り上げるようなチャレンジにも携わっていきたいと考えています。例えば今後10年ほどをかけて需要が徐々に減少していく市場であっても、国内の供給体制が縮小していく中で海外メーカーとの関係性を新たに築くことができれば、当社にとってはその10年間が新たなビジネスチャンスへと変わり得ます。それは同時に、お客様から、「なくてはならない存在」として選ばれ続けることにもつながります。
化学品専門商社のフィールドでは、取り扱う商材の選択肢はほぼ無限に広がっており、ピンチはチャンス的発想こそが重要であると感じています。
またその中で、取引先のニーズを的確に捉えることはもちろん、時にはお客様自身もまだ気づいていないようなニーズを先回りして見出す柔軟性と創造力が求められますが、そこにこそ商社パーソンとしての存在意義があると思います。
ビジネスに関わるさまざまなステークホルダーと対話を重ね、その中で得た学びを出発点に、新しい事業やサービスをゼロから生み出していく、そんな仕事にこれからも果敢に挑戦していきたいと考えています。

会社情報
戻る

事業紹介
戻る

社員紹介
戻る

サステナビリティ
戻る

採用情報
戻る